抱え、揺さぶり

精神科医の神田橋先生の著書を読みました。

先生は、精神科面接のコツとして「抱え」と「揺さぶり」を挙げておられます。

患者が心の問題を抱え、身動きが取れない時に、

患者が安心できるようしっかりと「抱え」守ってあげながら、

新たに動き出せるよう「揺さぶる」と理解しました。

 

これは、ブログ「引き受ける2」で書いたことと私の中で一致しました。

治療者の「抱え」は、ブログで書いた、施術者が患者の邪気を一旦引き受けるのと同じではないか。

そして、施術者の体を一旦通した気を患者に返すことは、

丁度よい「揺さぶり」を患者の体に与えているのではないかと考えました。

 

治療が必要な部分というのは、体がうまく動かずに自然治癒力が活性出来ない状態と考えています。

その部分を動かすために外力を加えるために、外から気を流す必要があります。

しかし、患者の色とあまりにも違う色の気だと全く反応しないか、違いすぎて有害となるかもしれません。

ましてや、患者の気と全く同じ色の気では何の反応も起きない。

その意味で施術者の体を通した患者の気は、患者の体を丁度いいあんばいで「揺さぶる」のではないでしょうか。

 

これは人づきあいでも同じこと。

カラーの全く違う人だと、違いすぎて理解不能か、喧嘩となる。全く同じだと退屈すぎる。

適度に同じで、適度に違う意見を持つ人との付き合いが大きな学びとなる。

そして学びとなる他者のカラーを受け入れるためには、こちらの意見を抱えたり引き受けたりしてくれる

優しさが重要になると思いました。

 

気と躰の庵 岩崎整体院

佐賀県小城市牛津町柿樋瀬889-8