感情を手放す。「許し」と「赦し」

前回からの続きです。

 

本来、「ゆるさない」という思いは善悪の判断から生まれます。

例えば、誰かに悪口を言われたとき、

「悪口を言われる→傷ついた→ゆるさない」となるわけです。

例えば「お前はブスだ」と言われても、言われた人が容姿の良し悪しに何の興味もなければ

言われてもノーストレスなわけです。

つまり、ストレスの原因は、悪口を言った側と、それを悪口と受け取る受け手側の二つがあります。

 

悪口を言った側にペナルティ(慰謝料や謝罪等)を課すことで

悪口を言ったことを「無かったことにする=ゆるす」方法があります。

この場合は相手が悪いという前提での「ゆるす」で「許す」と表現したいと思います。

しかし、これは根本解決にはなりません。

先の例では、一つの事例が解決しても、また別の人から「お前はブスだ」と言われれは同じことの繰り返しです。

そもそも自分の容姿を気にする思いから傷ついているのですから、

鏡を見るたびに自分自身で傷ついてしまいます。

 

これを根本的に解決するためには、

「お前はブスだ」と言われ傷ついたなら、

自分には、自分の容姿が気に入らないという思いがあったと気付き、

その思いを手放せばいいのです。

それを「赦す」と表現したいと思います。

 

この赦すでは、自分の容姿に対する思いを手放ことで、

自分を赦し、

その結果として相手の言葉が気にならない、

相手を赦す状態になります。

 

ではどうすれば手放せるのか。

相手から言われたときに感じている自分の感情に意識をフォーカスします。

多くは自分の凝り固まった感情なので、しばらくは何も変化しません。

しばらくフォーカスし続けると、輪郭がはっきりしてきます。

そして、固まっていたのが、徐々に粘性をおび、変化し始めます。

さらにフォーカスする時間を長くすると、形を変えながら徐々に小さくなっていきます。

粘性が徐々に小さくなり動きやすくなればいいのですが、経験的にはあまりなりません。

根気がいる作業ですが、自分を変化させるのはそもそも難しい作業です。

上手くいけば、記憶を思い出しても感情が騒ぎ出しません。

また、体も軽くなります。

 

失敗する原因としては、感じている感情を悪いものだから早く出ていってほしいと考えてしまいます。

その感情を感じることは不快だと思いが、良い悪いの価値判断をせずにありのままに感じてみてください。

 

また、相手が言った言葉や事柄に意識をフォーカスしてしまうと、相手に対する怒りなどが大きく炎上していきます。

嫌な事や人があると、そのことばかりが頭に浮かび感情が炎上しがちです、

またそれを考えまいとするとすればするほど考えてしまうという悪循環にも陥ります。

嫌な事の記憶とそれに伴う感情はセットの様に感じられますが、

注意深く見つめると記憶と感情は別々であり、強く結びついてしまっているだけだということが分かります。

記憶に意識が行ってしまうと、それに結びついている感情にエネルギーを注ぐ形となり、感情は炎上します。

記憶ではなく、感情だけに意識をフォーカスし、感情だけを味わってみてください。

 

この作業を繰り返すと、様々なことに対して感情のセンサーが良く働くようになり、

感情が揺れやすくなったと感じます。

これは自分の中の凝り固まった記憶と感情のセットに気付きやすくなる、良い兆候です。

感情が出てきたら、その感情に気付けたことを喜び、感情にフォーカスして手放していきましょう。

 

気と躰の庵 岩崎整体院

佐賀県小城市牛津町柿樋瀬889-8